四万十町本庁農林水産課
2022.03.04
※3/9 内容の一部を修正しました。
皆さん、こんにちは!
四万十町農林水産課の竹本です。
今回は、四万十町で今年度新たに指導農業士となった吉村 恒平さんについてご紹介します。
就農から6年、新規就農者を卒業すると同時に指導農業士となった吉村さん。
新規就農者として、また、次世代の人材育成をする立場として両方の立場からお話を伺いました。
四万十町でキュウリ栽培をしたい方、必見です!
~経歴~
運送会社、町内農業法人を経て平成28年6月に独立就農。
青年就農給付金や園芸用ハウス整備事業などの国・県の補助事業を活用し、経営を開始。
JA生産部会内※や関係機関での情報交換・技術習得を通じて収穫量を伸ばし、令和2年には部会内でもトップクラスの成績を収めた。
実績が評価され、令和3年11月には高知県指導農業士となり新規就農希望者・研修受講希望者の受け入れ態勢を整えている。
※JA部会とは…JA組合組織のうち、品目別に生産者で組織されるもの。生産・販売・技術の改善に取り組んでいる。
~農業者インタビュー~
Q1.法人から独立して就農をするときに不安はなかったですか。
-家族が農業経営をしていたこともあり、機械類については比較的安価に揃えられたこと、農業のスケジュール管理や基礎知識についても農業法人で学んでいたため、その点では不安はなかったですね。
ただ、経営初期で生産・販売のサイクルの見通しが立っておらず、収入が不安定な時期は苦労しました。
Q2.品目をキュウリにした決め手はなんですか?
ー四万十町では露地野菜のショウガ、施設野菜のニラなどが特に有名ですが、①収入が確保しやすいこと、②弟が先にやってたこともあり、ノウハウの共有ができること、以上の2点が決め手となりキュウリを選びました。
ニラも経営をする上ではいい品目なんですが、においが苦手で…選択肢からは外れてしまいましたね(笑)
品目を決めるまでにはJAや普及所(県農業振興センター)などの関係機関との協議を重ね、慎重に決めました。
Q3.経営の中でのやりがい、苦労したことはありますか?
ー収穫量や売り上げなど目に見えて数値が良くなると嬉しいですね。
積極的に情報収集をして新しい技術も導入しながら経営をしているので、成果として出てくると次の改善の意欲にも繋がります。
知識・技術面では苦労は感じることはなかったですが、単価減少や資材費の高騰など自分ではどうにもできないところで左右されるのはつらいところですね。
現状も色んな事情から例年どおりとはいきませんが、こらえる時期と思って頑張っています。
Q4.1年間の作業スケジュールを教えてください。
ーきゅうりは9月ごろに定植し、11月から収穫が始まります。特にこの時期は作業が多く、とても忙しいです。
そこを乗り越えると、あとは翌年6月ごろまでは収穫・出荷と日常管理が続いていく流れになります。
基本的に毎日作業があるため、1日まるまる休みは厳しいですが、作業をきちんと調整すれば半日の休みを確保することもできます。
また、定植から収穫が始まるまでは比較的作業も落ち着くので、夏休みのようにオフを満喫する方もいます。
Q5.従業員はいますか?
-パートの方3名に来てもらって収穫やその他ハウス内での作業をやってもらっています。
1人でやろうとすると時間がいくらあっても足りないので、協力してもらえる人の存在は経営するうえでとても大切です。
Q6.最後に…これから就農を目指す方に向けて一言お願いします。
ー部会の部長となった現在、今まで以上に年々少なくなるキュウリ農家を見て危機感を感じています。
キュウリに限らず、他品目の農家でも年々高齢化が進み、引退する方も多くなっています。
地域農業を守っていくという観点から、新たに就農する方は大歓迎です!
とはいっても、やはりリスクや大変なことが多い職業でもあります。
経営を初めて数年は厳しいことやしんどいこともあるので、そういった部分もしっかりと調べてみてください。
自分の経営が始まったときに失敗や後悔をしないためにも、下調べは大切ですよ。
これからは新規就農者から地域の担い手育成に向けて意気込みを見せる吉村さん。
四万十町でともに頑張りたい!そのほかの品目も気になる!という方がいらっしゃいましたら、ぜひ四万十町農林水産課までお問い合わせください。
以上、四万十町からお届けしました。