2021.07.27
サラリーマンを辞めて、高知市春野地区でキュウリ農家を目指している田岡 宏文さん(41才)の農家での実践研修先が決まるまでの様子などを3回に渡ってご紹介します。
田岡さんは昨年、退職を考え、40才の令和3年2月に高知県立農業担い手育成センターに入校された方です。
高知県では就農する前に約2年間の研修をお勧めしています。
その研修の中心となるのが「高知県立農業担い手育成センター」です。
農業担い手育成センターで通常3ヵ月~1年間の基礎研修を受け、その後の約1年間は就農予定地の先進農家で実践研修をします。
さて、田岡さんが就農しようと考え始めたきっかけは、サラリーマンとして20年近く働いたころ、あまり変化のないサラリーマン生活に「このまま定年を迎えるのか?」という疑問を感じたことにありました。
農業に興味はあったものの「会社を辞めて就農を目指すのは無謀すぎないか?」「本当に自分に向いているのか?」「続けていけるのか?」など悩みに悩みました。
さらに、田岡さんには小学低学年と年少組の2人のお子さんがおり、高知市内の家のローンもあったので、就農に踏み出すことに二の足を踏んでいました。
そんな田岡さんの背中を押してくれたのはいつも近くで田岡さんを見ていた奥さまだったそうです。
農業の話をするときの田岡さんは生き生きとしていて、目もキラキラと輝いていたので奥さまも田岡さんの就農応援団となってくれたとのことでした。
奥さまは働いていた田岡さんに代わって市役所などに相談にも行ってくれ、応援団として背中を押してくれただけでなく、強力な理解者となってくれていました。
※就農には家族の理解が非常に大切です!!
相談に行くと必ず言われることに自己資金のことがあったそうです。
田岡さんも作物の検討対象としてハウスでのショウガも考えましたが、洗い場だけで一千万円必要と聞き対象から外したそうです。
何を作るにしても資金が必要と分かった田岡さんは働く傍ら、早朝や週末にアルバイトを始めたとのことです。
そんな折、相談をしていた友人の中の一人からキュウリがいいという話を聞きました。
生活もできるし、何よりもキュウリ産地の春野地区は支援が手厚いという話を聞き、ハウスでのキュウリ栽培にターゲットを絞ったそうです。
ターゲットを絞った後、令和3年2月に農業担い手育成センターに入校し、高知市春野地区のキュウリ農家を目指した基礎研修がスタートしました。
農業担い手育成センターには「正大寮」があり、田岡さんは月曜日~金曜日までの平日は正大寮に住み込んでいました。
※奥さま、2人のかわいい盛りのお子さんと離れて暮らす、もっぱら単身赴任と言ったところでしょうか(*^-^*)
トラクターのエンジンをかけたことも無かった田岡さんですが、農業担い手育成センターで耕耘作業や管理機での畝たてまでの基礎研修を受けました。
ハウス研修ではキュウリの栽培管理から農薬散布などの管理作業の基礎を学びました。
実技だけではなく、講座では肥料や農薬の基礎から環境制御技術などの先進技術、また青色申告から農業簿記などの農業経営も学びました。
これらの基礎研修を受けはしたものの僅か3ヵ月でキュウリ栽培農家での現場研修を迎えるというタイトなスケジュール。
とは言うものの、この現場研修で1年間の実践研修先の農家が決まります。
プレッシャーもあったのではないかと思いますが、農業で生計を立てる覚悟の固まっていた田岡さんにはなんでもないことだったそうです。
次回は田岡さんの現場研修状況についてお伝えしたいと思います。
「よっしー」は農業に関して全くの素人スタッフ
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