就農者インタビュー

Start Farming

中田康幸さん
自営就農

就農のきっかけは農業をしながら充実した生活を送る友人

中田 康幸さん(37歳)
[宿毛市/施設イチゴ農家]

 これまで様々な仕事を経験してきましたが、農業をしている友人たちを見ていると、仕事をしながら趣味の時間も持ち、ワークライフバランスが取れて充実しているように見えました。そこに魅力を感じ、農業をやってみようと思いました。

まずは関係機関への相談、経営計画の作成

 始めるに当たって、JAや宿毛市役所、県の農業振興センターに相談し、経営計画が成り立つか、技術を教えてくれる農家がいるか、どこのハウスを借りられるかなど、時間をかけて検討し、最終的にはイチゴで計画を立てることにしました。
農業を始めることに特に不安を感じなかったのは、こうして相談に乗ってくれる人たちがいたことと、仕事で農作業の経験があったこと、自分に合った仕事はこれだ!という気持ちがあったからかもしれません。

優秀なイチゴ農家のもとで1年研修

中田康幸さん

 イチゴの栽培技術については、宿毛市と県の補助制度を活用して、地域の優秀なイチゴ農家のもとで研修を受けることができました。研修計画の作成や補助制度の活用も、宿毛市役所や県の農業振興センター、JAが継続的に支援してくれます。研修制度が最長で2年使えることもあり、じっくりやればどうかという周囲の声もありましたが、早く独立したいという気持ちが強く、自分の責任でやらなければ身に付かないという思いもあって、自分の意志で「1年で習得する」と決めました。

 ハウスについては、JAや市に貸し主との交渉に同席いただくなどして借りられることになり、研修を受けた後はスムーズに就農することができました。就農のための貯金はほとんどなかったので、経営開始から5年間支援を受けられる国の青年就農給付金(現:農業次世代人材投資資金)「経営開始型」を活用できたことがとても助かりました。初期投資は少なく済んでいる方ですが、中古ハウスの修繕や、1年目の収入がほとんど見込めないということを思えば、300万円くらいの貯蓄があると良かったと思いますね。

忙しくても、縛られない毎日が楽しい

中田康幸さん

 今年は独立して2年目になります。とにかく毎日ハウスに来て観察し、記録をつけてイチゴの変化に気づくことが大切だと考えています。水の量が少し多いとか、ちょっとしたことで味が変わってしまいますから、美味しいイチゴを作るのは日々の積み重ねが大切です。今は一人ですべての作業をしていて、イチゴをパック詰めする作業は、忙しい時期だと1日7~8時間にもなります。思い描いていたワークライフバランスにはまだ程遠いですね(笑)。でも、今はまず自分が立てた5年後の所得目標を達成したいです。また、イチゴの出荷がなくなる夏の時期の収入をカバーするために、イチゴを使ってソフトクリームを作るのもいいなぁなんて考えています。地元の子どもたちが喜んでくれると嬉しいですね。
 いろんな仕事を経験してきましたが、何かに縛られず自分で計画し実行し結果の出せるこの仕事が一番自分らしいと思うし、毎日めちゃくちゃ楽しいんです。