2021.08.13
前回(前編)は高知市春野地区でキュウリでの就農を目指している田岡 宏文さん(41才)の退職から高地県立農業担い手育成センターでの基礎研修までの様子をお伝えしました。
今回は実践研修先の農家を決めるため、5軒の指導農業士の元で現場研修した状況などをお伝えしたいと思います。
田岡さんに伝えられた内容は「今日から1週間ずつ、5軒のキュウリ農家の方々のところで現場研修を受ける」ということでした。
家族を養う責任もあり、後には引けないという覚悟を決めていた田岡さんに驚きはなかったとのことでしたが、私なら「なんで5ヵ所も!!」と思ったに違いありません。
私自身が初めての人には気おくれしてしまうので、5週間も次々と違う農家の方から教わるのは嫌なのではないだろうか?と思いました。
しかし、この5ヵ所の現場研修には技術を身につけること以上に大切な意味があることが分かり、この地域の大きく深い愛情を知らされました。
それは、この5週間、5ヵ所の指導農業士の方々の元での現場研修の目的が、お互いの相性を確認しあうことにあると知らされたからでした。
農家の元で実践研修する1年間、「寝(シン)」こそ別ですが、「食」は共にし、ある面では家族以上の付き合いをしていくことになります。
人は感情の生き物なので、どんな人同士でも合う/合わないはあります。
ですから、このマッチング(現場研修)は就農を目指す人にとっては非常に重要なことだと思います。
農業はしたいけど実践研修先の方との相性が合わず断念した、では就農の覚悟を決めた人にも申し訳ないと考えてくださっているからこそ、5軒もの農家で事前にマッチングをしてくれるのだろう、とこの点でもこの地域の支援(リンク)は手厚いなと思いました。
2軒の現場研修を終えたすぐ後に会った田岡さんの顔は前回お会いしたときよりも視線が少し上向きで背筋もピンとしていて何か自信がついたように見えました。
こちらから尋ねる前に、本人から「楽しいです」「同じキュウリでもそれぞれ育て方が違うんですよ」と嬉しそうに話してくれました。
「畝の高さも違うし、畝にもみ殻を撒いている人もいるんですよ」とか、本当に楽しそうに話してくれました。
そんな中でも一番目を輝かせて話してくれたのは「キュウリの病気も実際に見て、もっとキュウリのことを知りたくなりました」というものでした。
このように1ヵ月を超える中身の濃い5軒の指導農業士での現場研修も無事終わりました。
次回最終章では5ヵ所の現場研修を終え、これから1年間の実践研修先の農家が決まった田岡さんの意気込みについてお伝えしたいと思います。
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